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それは、出張から帰ってきてしばらくたった頃だった。

”今朝、眠るようになくなりました。”

彼からのメール。
出張から帰ってから、やはり気になって、
大切な方の病状を聞いてはいたけれど・・・

どんな言葉をかけていいのかわからないほどの衝撃だった。


”なんて声をかけていいのか言葉が見つかりません。
どんな言葉も薄っぺらく思えて・・・
今は、食事も喉を通らないことと思います。
せめて水分だけでも取ってください。”

そんなメールをするのがやっとだった。
それと同時に、いろんな気持ちが湧いてきた。

あのとき、彼への言葉は確かに辛かったからだけど
自分のことだけ考えていった言葉じゃない。
彼は家族の中にいてなきゃいけなかったのだ。
それは正しいと思う。

だけど・・・結果として必要以上に彼を苦しめてしまったのか?
考えれば考えるほど辛くなった。


仕事仲間と一緒に、お葬式に参列する事になった。
会場で挨拶する彼と目が会った。
つかれきった、やつれた頬。
泣きつかれた、赤いすがるような目。
きっとほとんど眠ってないのだろう。

彼の口がありがとうと動きそのあと何かいいたそうな顔をする。
私は・・・・ただ深く一礼をすることしか出来なかった。


いろんなことが落ち着いた後で、彼が会いたいと行ってきた。
彼のあの姿を見たら、心配になった。
その前の出張先での事も・・・・やはり会って話をするべきだと思った。

「元気だった?」

と尋ねる彼。私のほうが心配なのに・・・

「私は大丈夫。それより、落ち着かれましたか?」

「まだいろいろあるけど、一応はね。」

「お葬式や手続きが落ち着いたころに
体調を崩しやすいですから、お疲れが出ませんように。」

「ありがとう。(故人の)写真みた?」

「はい・・いいお顔で写ってらっしゃいましたね。」

「わがままでね。
闘病中も、あれは嫌いだ、これが食べたいって
手を焼いてね。

家族だから余計に衝突してね。

偏屈で、時々破天荒で、
周りのものは振り回されっぱなしだったけど
どこか憎めない人だった。

人とは別のことをするのにまだまだ勇気がいった時代で
自分の信念貫きながら、家族を守った人だった。

お葬式に沢山人が来てくれて、
ああ・・・こんなにも人に愛されてた人だったんだって
ちょっと・・・・自慢だった。」

声を詰まらせ、彼の声はかすれていった。

「そうね。素敵なひとだったことがわかる。」

私はそばにいて話を聞いてあげることしか出来なかった。
でも、それでも私を望むのなら、何時間でもいてあげようと思った。

「あのね、今回の事で強く思ったことがある。
俺は、その時できた精一杯のことが出来たと思う。
でも・・・死んでしまったらだめなんだ。
死んでから、ああしてあげればよかったって思ったってダメなんだ。
生きて・・生きてるうちに大事な人をもっと大事にしないと。

で・・・良く考えた。
やっぱり、俺は、貴女を大事にしたいと思う。
もっともっと。

俺を嫌いになって、顔も見たくなくなって別れるのなら、まだ、すっきりする。
でも、今回みたいに大事に出来ないまま別れたくないんだ。

だから、貴女を大事にさせてください。」


「私は・・・よくわからない。
あのときの決断は正しかったって気持ちと、
貴方を苦しめたという後悔の気持ちが混ざって

元の・・・元のような気持ちには、戻れないかもしれない。
それでも・・・いいの?」

「貴女とのさよならも・・・
いつかくるんだって思ってる。
でも、それは今ではない。
そのときがくるまで・・・精一杯大切にしたいんだ。
貴女を。

だから、もう少し、俺といてください。」



いろいろあったことが、全部一件落着したわけでもない。
変化の過程の上にあるだけなのかもしれない

だけど・・・・私はこの人といよう。そう思った。
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2010.07.29 / Top↑
「え・・・なんで。
なんで、そんなことをいうの?」

とても悲痛な彼の声。

「正直、そう思ったの。」

「俺、大変な状況を連絡しただろ?」

「うん。大切な人の容態が落ち着いたってことを聞いてほんとによかったと思ってる。」

「だったらなぜ・・・」

「こんな時に言うことじゃないだろって?
こんな時だからいうのよ。

貴方は家族の中にいなくちゃいけないの。
大切な人のそばにいなくちゃいけない。

貴方の今の状態からして、余計なものは・・私なの。
大切な人の容態が落ち着いた今しか言えないから・・・


いいわよ、しかたないわよって笑って、
何事もなかったことにするのは、案外簡単なことかもしれない。
でも、元の状態に戻るなんて、できないわ。

それに、離れているのに、状況すら見えないのに
家族と同じ気遣いを求められても・・・つらいの。」

「とにかく、今度あってゆっくり話そう。」

「会えば元に戻ってしまうわ。だから・・・あわない。
今までほんとにありがと。
ちゃんと休んで、体だいじにね。」

「そんな・・・そんなこというなよ。
こんな終わり方、いやだ。
貴女が会う気になってくれるまで、いくらでもまつから。」

「ありがとう・・・さよなら。」

「また電話するから・・・」

電話を切って、そのままベッドに倒れこむ。
彼ととまるはずだった・・・部屋。
質のいい調度品、シャワールーム
いい香りのするリネン、
手を伸ばしても端まで届かないベッド。

いくらキャンセルしてくれって言っても、そうそう予定は変えられないのよ。
ねぇ、こんな広いのに自分以外の気配がない部屋で朝を迎えろというの?
二つづつきれいに並べられているグラスやアメニティに囲まれて
拷問のような時間をすごす気持ちがわかる?


誰も責めてはいけない・・・その分自分の心に刃がむく。


窓の外からかすかに雨音が聞こえる。

雨が・・・天井を突き抜けて、私めがけて降ってくるように感じる。
手足が水を吸ったように重くなり・・・そのまま眠ってしまった。


2010.07.21 / Top↑
ごぶさたしてます。

ここに来るのも・・・久しぶり。

今まで、いろいろあって書けませんでした。
でも、少し書いてみようかな。

彼の退院後、しばらくして彼の大切な人が体調を崩した。
重い病気で何回か入退院を繰り返していた。

「治療薬を打ちたいんだけど・・
持ちこたえられるだけの体力がなかなか回復しないんだ。
病気のこと、主治医に告げられてからは覚悟決めてる。
決めてるんだけど・・・どこかで持ちこたえて欲しいと思ってる。」

淋しそうに微笑む彼に、私は頷くことしか出来なかった。

大切な人の病状が少し小康状態になったとき、私に1週間の出張の予定が入った。

「いろいろあって、貴女にはずいぶん迷惑かけたから、
二人っきりでゆっくり過ごして、少しでも恩返ししたいよ。」

といってくれた。

私は出張の最後に、1日彼といる予定を組んだ。

出張の成果はとてもよく、充実したものだった。
そして、あと1日を残すところとなった。

少し、淋しい気もしたが、あと1日で彼と会える。
そう思っていた深夜の事だった。

「病状が急変しました。そちらへいけそうにありません。
宿泊先のキャンセル料は払いますので。」

それだけのメール。
他にも言葉はあったけど、内容はそれだけ。



大変だ。
うん・・・仕方ないよね。
今は大切な人の側にいてあげてください。
そうメールした。









頭ではわかってる。
100回考えても、仕方ない、彼のとった行動は正しいと思う。
でも、101回目の「でも・・」が出る。


私のことを気遣うこともなく、まずキャンセル料のはなし?


頭では、わかってる。
この関係はフィフティ・フィフティでなければならない。
相手の為にこうしてあげる・・などとは言ってはいけない。

結果的に相手に何かを与えても、それは自分が好きでやっていること。
そう思えないのなら、そんな行為するべきではない。

でも今の私は・・・そうは思えていない。
少なくとも、彼の希望で突然のデートも日程調整し、
彼の希望でなるべくお見舞いに行くようにした。
そして、今度は笑顔で彼に「気にしないで」という。
彼にとって居心地のいい場所を提供する。


もう・・・与える事に疲れてしまった。


次の日、彼から電話があった。

「何とか病状が落ち着きました。
今は命の危険はありません。
ほんとにごめんね。キャンセル料は・・」

私は彼の言葉を途中でさえぎった。


「大切な方の病状が落ち着かれて本当に良かったです。
キャンセル料は必要ありません。

それよりも・・・私、貴方に与え続けることに疲れました。

さよなら。」



続きます。


2010.07.20 / Top↑
少し日がたってしまいました。彼から

「今回の一連のエントリー、反省しきりです。なので、最後の部分は、出来るだけ少なめで。なんなら自然消滅でも。」

なんて言われちゃいました。
という事で、彼は無事に退院しました・・では面白くないし、
折衷案でコンパクトにまとめてみます


数日後、彼からメールが。
当初の退院予定日なのに、退院の説明がなくて落ち込んでる。
外出許可とるから晩御飯を食べに連れてって欲しいとのこと。

病院に迎えにいくと玄関で笑顔で待っている彼。

「会いたかった~。さぁ、ご飯を食べに行こう。」

「すっかり元気になったね。」

「うん。貴女の言う通りリハビリとして腹筋や腕立て伏せと、1日1時間は歩いてた。少し締まった?」

「それ、リハビリじゃなくて筋トレ」

「で、その時に美味しそうな海鮮丼のお店をみつけたんだ。」

彼が案内してくれたけど、残念ながら定休日。周辺のお店を探すけれどあまりこれと言ったお店がない。結局麺類のお店に。

「ごめん。結局こんなので。」

「私、お蕎麦やうどん好きだもの。もしかしたら、病み上がりに濃い味の食事はまだ早い、美味しいものは退院祝いに取っときなさいってことなのかもよ。」

「じゃ、退院祝いして。」

「いいわよ。何が食べたい?」

「やっぱり焼肉。」

「了解。お店選んでおくわ」

ご飯を食べると、ちょうど病院へ帰る時刻。

「なぁ、このまま何処かに行こうよ。」

「私、病人振り回す趣味ないの。悔しかったら早く元気になりなさい。」

「…覚えてろよ。肉より何より一番飢えてるのは貴女だってこと。」

「さぁ。そんなに記憶力よくないから…」

病院に着いて寂しそうな彼を笑って送り出す

「そんなに退院は遠くないはず。退院を楽しみにして頑張って。」ちょっと元気に笑ってくれた。

... 続きを読む
2010.02.22 / Top↑
「今日は、仕事仲間が見舞いに来てくれるみたい。
でも・・・貴女に会いたいな。」



最近の私はとても彼に甘い。
心の中で、甘いのは今限定だからと理由をつけて
彼のところへ行く段取りをする。

仕事関係の方が来られるのであれば、おそらく夕方以降かな。
なら、私が彼と会う時間帯と重なる。
おそらく、今日彼に会えるのは難しいかもしれない。
それでも、私が近くまで来たということだけで
彼がほっとできるなら・・・


彼の病院の近くまで行き、彼にメールをする。
彼からの返事はなかった。
久しぶりの仕事仲間との対面。
話が盛り上がっているのかな?

やがて、面会時刻終了の時間。
そろそろ帰ろうとして

”お見舞いで、話が盛り上がった?
良かったね(^-^)
今日はタイムアップで会えないけれど
また今度ね。ゆっくり休んで。”


メールをして車を出そうとしたときだった。

暗い車内で、キラキラ光るもの。
携帯電話の着信。
相手は・・彼から!
慌てて電話をとる。

「もしもし、声使っちゃダメなんでしょ!
まったく、電話なんかしてどうするつもりだったのよ!
しゃべっちゃダメ。まだ帰らないで待ってるから、
メールをして。」


一方的にしゃべって電話を切る。
すぐに彼からメールが来た。

”ごめん。すぐ連絡しないと貴女が帰ってしまうと思ったから。
電話できなくても、メールより早く気づいてくれると思って。
病院のロビー前まで来ています。一目、顔だけでも見せて”


全く、病人が寒いところにいてどうするの!
急いで病院に向かう。笑顔で待っている彼がいた。

「まったく、無茶ばっかり!」

「ごめんね。」

「ごめんねじゃない!
今の療養が一番大事でしょ。」


「うん。
あのね、今日2~3時間以内の外出なら許可が下りるようになったんだ。
それを貴女に伝えたくて。」


「そう。
良かったね。この調子で退院早まるといいね。
知らせてくれて、ありがとう。」


「だからさ、今度貴女が来てくれる時、
外にご飯食べに行こう。」


「そんなことしていいの?」

「うん。OKもらった。
だから、近いうちに必ずまた来てね。」


何気に次の約束をさせられてしまった。
2010.02.15 / Top↑
まとめ
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